ホーム > お知らせ&コラム

お知らせ&コラム

ピロリ菌についてのお話 (2017.07.13)

みなさん、ピロリ菌についてはどれくらいご存知でしょうか?
テレビなどでも取り上げられるようになって久しいですが、ご自身は調べられたことはありますか?
それに、なぜ今ピロリ菌ピロリ菌と騒がれているのでしょうか。症状がなければそっとしておいてもいいのではないでしょうか?
ここでは、あらためてピロリ菌についてお話してみたいと思います。

1.由来は?

そもそもピロリ菌とは何でしょうか。正式にはHelicobacter.pylori(ヘリコバクター・ピロリ)といいます。語源はらせんを意味するhelico、細菌をあらわすbacter、そしてpyloriは胃の出口付近の幽門部pylorusに由来しています。つまり胃の出口付近に生息するらせん状の細菌のことを言っているのです。
皆さんご存知のように胃は食物の消化を行うため胃酸という消化液を分泌しています。そのため以前は胃の中にはいかなる微生物も存在しないと考えられていました。
しかし、1982年オーストラリアのウォーレン、マーシャル両博士により胃に生息する細菌を発見され、これが現在までに様々な疾患に結びついていることが分かってきています。

2.感染率・感染経路は?

日本人の約50%がピロリ菌に感染していると言われており、若年層になるにつれ感染率は下がる傾向にあります。これは、感染経路に関係していると思われます。
今でこそ我が国では上下水道が整備されており衛生環境も整っていますが、一昔前は井戸水を飲み、トイレもくみ上げ式…といった地域も少なくありませんでした。こういった中で井戸水や、あるいは手などに付着したピロリ菌が免疫機能の完成していない幼少期までに直接口に入ることで感染したのではないかと考えられています。またご両親からの経口感染なども疑われています(溺愛されていた証拠でしょうか…)。
また、もし大人の方で感染した場合は、一過性の急性胃炎を呈することはありますが、ほとんどは治癒してしまうようです。

3.感染してしまうとどうなる?

ピロリ菌に感染すると、胃の出口付近から徐々に胃全体に生息域を広げて増殖していきます。その際胃の粘膜が赤く腫れあがり、やがて最終的には菲薄な(薄っぺらい)粘膜へと変性していきます。この過程が萎縮性胃炎と呼ばれるものです。これが何十年も続いていると、50~60歳頃に胃がんになるリスクが高まります。ざっくり言うと感染者の10人に1人程度が胃がんになると言われています。
ではピロリ菌に感染していない方はどうでしょうか。実は特殊な例を除いて、胃がんにはまずなりません。現時点でピロリ菌に感染なしと言われた方は胃がんの心配をする必要はほとんどないので万々歳です。

4.治療は?

それでは、現在ピロリ菌に感染している方はどうすればいいでしょうか。実はピロリ菌の治療を行うことで胃がんになる確率を3~4割程度まで下げることができるのです。また胃炎が進行していない胃ほど効果は高いと考えられています。そのため感染が早く分かれば、治療をすることでそれだけ胃がんの予防になりやすいといえます。
現在ピロリ菌の治療は1週間の内服で治療することが可能で、成功率も80~90%と以前に比べてかなり高くなっています。また、もし1回目の治療に失敗しても2回目の治療でほぼ除菌可能といわれています(費用は3割負担の方で3000円前後です)。
当院でも当然ピロリ菌の治療を行っております。どうも胃の調子が悪いな、慢性胃炎といわれたことがある、胃潰瘍になったことがある…という方は、ぜひピロリ菌の感染をチェックして、治療を考えてみてはどうでしょうか。ご相談お待ちしています。